無輸血治療 その3

あまりに妻の体調が思わしくないので、友人にワゴン車で迎えに来ていただいた。家に帰って、妻の友人たちが

見舞いに来てくださった。しかし、妻は話すのも辛そうだった。行きつけの病院の院長先生に往診をお願いしたが、都合が悪いらしい。友人の看護士が家から血圧計を持ってきて測って下さった。上は80、下は計測不能だった。これはおかしいので、往診してくださる先生を探そうと思った。すると看護士の1人が、私の知り合いの先生なら往診に来てくださるかもと。それできていただいた。「このような時は病院で1日点滴を受けるものですよ」と。

 私は、やはり大きな病院に行く必要があると思い。

当時の医療委員(病院とのパイプ役)と連絡を取り

**医師会病院に救急車で行くことにした。事故は午前11時、この時は夜8時位だったので、事故から9時間程経過していた。

 宿直医はすぐCTを取って。「腸の中が血の海です」

「すぐ輸血が必要です」

 妻は「私はエホバの証人で輸血はできません。夫が外にいますので夫に聞いて下さい」それだけ言って意識不明に。担当医は「**大学病院に行って下さい。ここでは

手術できません」それで**大学病院に電話したが、

「明日来て下さい」明日では間に合わないと思った。

もうすでに夜10時くらいになっていた。

 ちょうどその時である。暗がりを動く人影が目に飛び込んできた。