無輸血治療 その7

集中治療室の面会は近い親族しか許可されていなかった。友人たちの見舞いは丁重にお断りさせていただいた。父が面会にきた。集中治療室で妻の顔色が土色なのをみた後、小声で呟いた。「ダメかもね」

しかし、15日間の集中治療室の後、一般病棟にも移され、ホッとした。しかし次の日、MRSAに感染しているとのこと。また心配になった。「症状が出ませんように」。祈るしかなかった。驚くことに、一週間後、退院して良いとのこと。これにはびっくりした。

 友人たちも驚いておられた。輸血していないと、快復が早いらしい。</p  妻の治療については、日本麻酔科学会(正式名称は不明)に論文掲載されたと聞いた。  その後、半年ごとに、病院で術後の診察が行われた。 迫田先生は「あなたは奇跡的だったんだよ」「ご主人は このまま記録を本にしなさい」やっと実現しそうで嬉しい。妻は手術の17年後、わたしと一緒にタイでの聖書レッスンをするため、タイ語に挑戦し、7年半、タイでの生活を楽しむことができた。多い時は毎週7人の聖書レッスンを行っていた。手術の後遺症といえば、肺のは機能が100%でないことだろうか。空気の薄さを感じると言う。あの時、100%の酸素を投入し続けていたら、どうなっていたのだろうか?迫田院長先生、有村麻酔部長、麻酔医の先生、看護士の方々に深い感謝をお伝えしたい。